2011年06月20日

建築家と考える住まいづくり2011 第2回(5月)セミナー報告



2011
年度 OZONE 住まいづくりセミナーの報告     「はじめての住まいづくりH」 「JIA建築家と考える住まいづくり」 2回セミナー「建て主の私が希望する我が家」〜夢・希望・要望のまとめ方、伝え方〜2011528日(土)15001630 於 新宿OZONE 8階セミナールームB 建て主の自分が夢や希望を実現するために建築家など、家づくりの専門家に要望をどのように伝えたら思いのままに伝わるのか、伝えるべきポイントを整理して疑似体験として実際に「要望書」を書いて建築家と考えようと、体験セミナーを講師高橋隆博(アトリエ秀)、コーディネーター近藤昇(近藤総合計画事務所)2人で開催しました。 最初に近藤が4月セミナーで使用された模式図で設計と施工・設計施工の違いと総工事費に占める設計監理費と施工者経費の説明を行いました。講師の高橋さんは本来、住まいづくり(注文住宅)において、家族の数だけ、住まいのかたちがあるはず……。昨今の住宅事情では注文住宅でも画一的で、建売り住宅と代わり映えのない家々の多さは、言うまでもなくその要因のひとつとして、要望書(調査書)といった、供給者側(企業)の原理でつくられたパターン化された書式の要望書(調査書)に問題があるのではと言う所から解説を行いました。本来、建て主はもっと色々な考えを持っているので、それらをいかに相手に伝えるかを疑似体験として実際に「要望書」を書いて、参加者と一緒に話し合いをしながら考えてみました。書かれた「要望書」は健康的な家・エコ省エネを考えた家・構造体がしっかりした安全な家等の内容が多かったです。やはり東日本大震災の影響があるのでしょうか?しかし建築家は書き出された部分を解釈するのではなく、その内容から何を言わんとしているのかを考えますと解説しました。最後に解説だけでは物足りなくなりますので実例を画像で紹介をしました。又近藤も同様に実例を紹介しました。今回のセミナーの申し込みは22名でしたが参加者は夫婦6組の総勢16名でした。今年度から今までのJIAセミナーからOZONEセミナーへ組み込んで頂いた結果、参加者が多くなりだしたように感じられます。リビングデザインの方々には大変に感謝をいたします。少しでも一般市民の方々に我々の活動が知れ渡る事を願うばかりですし、我々も努力をしていかなければならないと感じました。 次回は618日(土)に第3回セミナー「居心地の良い場所づくり〜家族の住まい方から〜」が開催されます。

                      記  近藤 昇(近藤総合計画事務所)2011年度0528 OZONEセミナーの報告.1.bmp2011年度0528 OZONEセミナーの報告2.bmp

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2011年06月18日

INAX:GINZA SUMAIセミナー 第3回(6月)セミナー報告

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2011年 SUMAIセミナー −建築家と考えるこだわりの住まいづくりPart13−「第3回 特別企画トークイベント〜住まいづくりとお金の話」 
2011年6月15日(水)18:30〜20:30  於INAX:GINZA
講師・建築家:庫川尚益(くらかわプランニング設計)、宮島亨 (V建築設計室)進行役:沼尻玲子(フリーライター)のメンバーにて、セミナーを開催しました。
今回は見えにくい「建築費」について、一般の立場である進行役の沼尻から、現実的な予算や実質コストとこだわりの幅について、建築家に率直な疑問や意見を投げかける新しい試みのセミナーとなりました。前半では「自由なプランを求めて建築家へ依頼する=高い」という方程式ではないというお話となりました。建築家との深い対話をもつことにより、目的意識がはっきり見え、結果的にコスト削減につながることになるとは夢にも思わず、入り口から敬遠してしまう人も多いそうです。建築に限らずオーダーメイドの「もの作り」という特別な行為は、まだまだ敷居が高く一歩進めない方が多いようです。特に人生をかけた家づくり″を建築家へお願いするという事に対しては、金額面においても想像ができず身構えてしまう方が殆どではないでしょうか?

海外では小さな頃よりコルビュジェやフランクロイドライト等、有名建築家の名前や作品に触れて語り継がれるシーンがあり、人々の会話の中に建築に関する話題も自然に出てきます。家に対する興味関心のレベルが高く、ホームセンターで様々な木材や工具を揃えてはガレージライフを楽しみ、好みの色のペンキを塗るなど手作りの積み重ねを楽しむ文化が根付いています。一方日本では建築の専門を志す人以外に勉学の場において「建築」を教養として学ぶ機会が少なく、いざ建てる機会に恵まれても土地代が高いために、住環境に対する目線が「現実的な部分(コスト重視)」になりがちです。世界で活躍をしている日本人建築家も数多く、素晴らしい建築が数多く存在する日本の文化をもっと知る機会をと願ってなりません。そのような背景を受けて「少しでも皆様のお役に立ちたい」と考えている建築家と、家を建てたい人との温度差について先生方にお話を伺いました。

庫川さんは、「おしながきや相場の見えない飲食店には入りにくいように、価格の見えない世界は誰もが不安要素を抱くのは当然のこと。しかしながら、建築家の本来の役割は、メニューを全面に出してサービス精神を持ち、お客様のご要望にお応えしてくことなので、業界全体のイメージを変えて行く必要がある。」と語られました。宮島さんからは、「どんな些細な事でも、まずはご相談に応じる姿勢でいる事を知ってほしい。」「建築家と施主様との相性はとても重要。竣工後も長いお付き合いになるので、じっくり慎重に時間をかけて決めてほしい。」とアドバイスを頂きました。実際に難しいご相談を受けたこともあったそうですが、そこに耳を傾けていくことは建築家の喜びでもあり、頼まれた側の存在意義が生まれると言う事なのでしょう。

現代社会ではインターネットで沢山の情報を入手することが可能ですが、高い技術と能力を身につけるための研鑽を積んだプロの意見に耳を傾けることは、大切なことと改めて実感しました。門戸は開かれているので大いに活用していくべきとお聞きして、安心された方も多かったのではないかと思います。

後半は宮島さんより、今回のテーマでもある具体的なコストの疑問についてお話がありました。お見積りが発生した時点で初めて「お金」と向き合う場面が出てくるのですが、一般人には聞きなれない項目や用語がずらりと並び、合計金額を見ただけで高い・安いと判断をしてしまいがちです。工事費・設計料・監理料といった金額が妥当なコストなのかどうかを見極める方法、削減できる部分は何処なのか、報酬額の算出方法についてもじっくり解説して頂き、理解が深まる時間となりました。参考例としてコストを下げる提案と、若い世代を中心に話題になっているローコストな家づくりの実例についても語って頂きました。庫川さんより、「削ってはならない費用、省くべきコストはそれぞれのライフスタイルによって変わるもので、一様にこれは必要・不必要とはいえない。最初は数字に惑わされず本質を見て進めて行くことが大切。その次に具体的な削減に入って行くプロセスを大切に。」とお話を伺いました。

最後の質疑応答のお時間では、参加者の方々より大変興味深い質問が上がりました。「具体的な計画はなくても、将来に備えて相談に乗っていただけますか?」「建築家は年間どのくらいの軒数に携わるのでしょうか?」「今、業界全体で注目をされている高気密・高断熱と換気システム導入の流れは今後も続いていくのでしょうか?」等、レベルの高い質問に感心しました。終了後、先生方より「建築に興味をもたれ、前向きに取り組まれている姿勢は大変嬉しい」と感想を頂きました。大切な住まいづくりの根本でもある、「家を建てたいという本質的欲求部分=家を建てる目的=豊かさの追求を見失わない」ことが、上手な家つくりのコツであると大変勉強になりました。金額ばかりにこだわらず、本当に建てたい家を追及することが、究極の無駄を省いた理想の家つくりなのではと発見ができたセミナーでした。(フリーライター 沼尻玲子) 



●次回は7月20日(水)18:15〜 第4回「多世帯で暮らす魅力再考〜形式だけでは語れない多世帯住居」が開催されます。

http://www.jia-kanto.org/members/event/event_m/lecture/bukai20110720-2.html



JIA関東甲信越支部住宅部会HP  http://www.jia-kanto.org/jutaku/
posted by 住宅部会 at 21:38| 部会活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする