2010年02月16日

流氷に出会うには運が必要

2010.02.16.ひとりごと中澤.jpg週末に知床に行って来ました。目的は流氷に会うこと。初めての体験は感動モノです。しかしその道のりは運が伴う賭けみたいなものです。
流氷体験の計画を立てて、いろいろと流氷について調べると、冬のオホーツク沿岸に行けば見られるものだと思っていたが、それは簡単に会えるものではなかったのです。掲示板や地元のブログには無数の残念の文字が。一番は計画時にシーズン期間が予測不可能なこと。吹雪で観光船が出なかったり、刻一刻と姿を変え、一日の中で午前あったが午後になくなるなんてことも。毎年訪れるツワモノで5割の確率ならいいほうらしい。
それも、どうやら地球温暖化に関係していると言われている。地元の人が子供の頃はこんなことなかったと、氷の厚さが年々減少しているそうだ。将来は日本に到着しなくなるなんてことも…
知床の自然は流氷の恵みで海が豊かになり、北太平洋の海流を生み、生態系が保たれている。環境共生住宅は流氷に会える確率を高める事ができるかな。

写真は知床自然センターからスノーシューをつけて新雪の中を一時間ほど歩いたところのフレペの滝(冬季は凍っている)から観たオホーツクの海です。こんなに青い空と新雪と流氷が揃うのはワンシーズンに数回あるかないかだそうで、今年は運を使い果たしたかもしれない。

(中澤建築設計事務所・中澤克秀)
posted by 住宅部会 at 17:29| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日

「長く住み続けるためには」 

政府から「超長寿命住宅」と云われなくても、設計者としては、住み手にメンテナンスしていただき、
なるべく長く住んでいただきたい、と思っています。
そのためには居心地の良い家である事は勿論のこと、堅固な構造とメンテナンスしやすいつくり、
そしてその家に愛着がもてることが必要だと思っていました。
でも、世代を超えて長く住み続けていただくには、もう一つ重要な事がある、と云う事に気付きました。

写真の住宅は大正時代の末に建てられ、昭和の初めに増築した約90年ものの住宅です。
設計は旧帝国ホテル建設の時にフランク・ロイド・ライトを補佐した遠藤新によるものです。
現在の住まい手は2代目にあたる息子さんご夫婦。そして最近、バイオリニストである娘さんのための音楽室が遠藤新にゆかりのある建築家によって増築設計され、それとともに、原型を壊さないように耐震補強もされたと云う事です。
長く住んでいればいいところも悪い所もいろいろと感じるでしょうが、三代に渡って住み続けていく住宅に必要なもう一つの要素とは何だろう?
建てぬしの方の誇らしげなお顔を拝見して、それはその家に住む事が「誇り」に思える、ということだと判りました。遠藤新は幸せ者だなあ。
かなりハードルは高いですが、私も、そう思ってもらえるような住宅を設計していきたいと思います。
(U設計室・落合雄二)

100215落合.jpg
posted by 住宅部会 at 22:47| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小さなサイン

所用があり2日間ですが京都に行ってきました。
2日目の半日は自由に行動できましたので、以前より気になっていた重森三鈴庭園美術館に行ってきました。
吉田神社の社家としてあったものを自邸として譲り受け、茶室2つを増改築し、また庭園を重森三鈴が手がけています。
重森三鈴は昭和を代表する作庭家で先に述べましたように茶室等も手掛けております。
5年くらい前に吉永小百合が枯山水の庭園を背景に広間で、液晶TVのCMをやっていた場所と言った方がわかりやすいかもしれません。
その重森三鈴邸の広間から見る庭園は徳島産の青石という自然石を巧みに用いた枯山水庭園で、その洗練されたデザインに時間を忘れて感動していました。
そんな中、気になった写真の石。(大きな赤い敷石の右側にちょこんと置かれた、縄で縛られた小石です。)
実はこれは『ここから先には進まないで下さい』というサインなのだそうです。
歴史的に、庭園でそのような手法が一般的なものなのかどうかはわかりませんが、そのさりげない所作に感心してしまいました。
供する側と、供される側の理解があれば、何も大きな看板で『立ち入り禁止』などしなくても良いのですよね。
このことは何も、このようなサインの話だけではなく、過剰な情報に埋め尽くされている感のある、最近の住まいづくりにも云える事かもしれません。(V建築設計室 宮島 亨)

100215小さなサイン.jpg
posted by 住宅部会 at 15:01| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山形新幹線の車窓から

先日、山形新幹線で山形に出張をしました。
山形市内は雪はないとのことでしたが、米沢駅を過ぎたあたりから一面の銀世界。
(写真@の通りです)今年になって雪を見ていない私は、自分の世界にどっぷりと浸かって白銀の田園風景に見入っていると、「かみのやま温泉駅」の前か後かは忘れてしまいましたが突然目に飛び込んできたのはなんと超高層ビル。
静かな風景におよそ似つかわしくないその光景にあまりにもびっくりして見入ってしまい、i-phoneのシャッターを切るのを忘れてしまったので建物の写真はインターネットサイトから拝借してきたものです。
後になってウィキペディアで調べたところ、こんな解説文が掲載されていました。
(地上41階、総戸数389戸の分譲マンションで、高さは地上133mであり、山形県で最も高い建物である。高層マンションはビルが林立する市街地に建築されることが多いが、「スカイタワー41」は田園の中にそびえ建つ珍しいマンションである。)
一見して宗教建築かと思ったくらいのその異様な存在感。
我々建築家にとっての永遠のテーマである、敷地・環境と建築の在り方というものについてなにやら色々と考えさせられる印象的な光景でした。
(HAK C o.,Ltd 秋田 憲二)

雪景色.jpg
(写真−1・雪景色)

100215スカイタワー遠.jpg
スカイタワー遠景

100215スカイタワー近.jpg
スカイタワー近景
posted by 住宅部会 at 14:56| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月14日

地べたに住もう!

昨今高層のマンション群が増えています。確かに眺めはいいでしょう。あこがれもあるのかもしれません。あんなところに住みたいなと。
自分の住まいを決めるのに、子供さんのこと考えたことありますか?
もう10年以上前から高層マンションでの子供さんの行動を研究されている方がいらっしゃいます。
母親はついついエレベーターで外へ出てゆくのがおっくうで外出をなるべく最小限にまとめて出かけるようになり、子供と母親は毎日べったりと一緒です。下の階に迷惑をかけないよう、あれをしてはダメ、これはしてはダメと子供は萎縮し、いつも母親と一緒なので自分で判断、行動することをしなくなり、自主性のない子供に育つ傾向があります。
これはインドネシアとの協同研究で進められており、同じ傾向が現れているそうです。
同じマンションでも下の階の人たちは必要に応じ普通に外へ出ますので、遊ぶにしても子供は親がいなくとも勝手に遊んでますが、高層階の子供は母親の姿がそばにないと遊べないと。おそろしいことです。
私はセミナーなどで終わりに時間をさいてなるべくお話しするようにしています。
地べた近くに住もう! 高層階のお母さんは一日最低2、3回は外に出よう!..と。
食事も地べたに近いほどおいしいですよね。
(株・将建築設計事務所 加藤將己)
posted by 住宅部会 at 11:55| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お茶は入れるもの?買うもの?

先日、某寺の住職と話した時のことです。この住職は大学で教鞭をとっておられる方なのですが、ある日、学生にお茶を入れるように頼んだところ、ペットボトルのお茶が出てきたそうです。聞いてみると、お茶の入れ方が解らないからということでした。
これからお坊さんになろうという学生の中で、急須でお茶を入れたことがない学生がいるという事に、とても驚いたそうです。
ペットボトルのお茶は、言ってみれば既製品。建築の世界でも同様に、木、布、石に似せた塩ビ製品などの既成品が増えて、なかなか本物が見られないという話で盛り上がりました。
古い物は文化を伝えます。それに対して、新しい物は文化を作っていきます。
これはどちらも大切な事。スポーツの世界が、新素材の道具によって進化するように、建築もまた新素材によって進化しているのだと思います。
古い物を大事にするだけではなく、新しい物を受け入れる柔軟さも必要でしょう。
そうは言いながらも、お茶はやっぱり急須で入れるものだと思う私です。
(OM−1 大川宗治)

大本山光長寺山門.JPG
posted by 住宅部会 at 00:26| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

木の床で暮らす

自宅を建ててはや7年。天竜から杉の構造材を産直し、手刻みで骨組みをつくりました。
また長野産のカラマツ厚板に、アウロという柑橘系のワックスを塗って、床、天井を仕上げています。
カラマツ床は、夏はほどよくヒンヤリして、冬はほどよく暖かい、そして何より柔らかいので、素足で歩いたり寝転んだりするにも心地よい。
また吸放湿性能があり、皮膚が触れてもベタつかずさらっとしていることも、快適な理由のひとつです。
ただ自然素材であるがゆえ、割れたり、伸び縮みがあったり、キズがついたりといった難点はあります。
でも経年変化による味わいの良さを考えれば、少々の問題はだんだん気にならなくなるもの。
最近犬を飼い始めたので、床の傷もかなり増えていますが、なにせ厚み30mmの無垢の床板。
どうしようもなくなれば、削ればいだけです。
「木」は人間にも、犬にも優しい素材だなと感じながら、毎日を快適に暮らしています。
(アトリエ六曜舎・湯浅剛)

100212.六曜舎.jpg

posted by 住宅部会 at 00:00| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月12日

『武相荘』訪問 2010.02.06

白洲次郎、正子邸『武相荘』を訪ねました。 東京郊外の茅葺屋根の農家を改修し、1943年から終生過ごした家。
武蔵と相模の国境に位置することから、無愛想をもじって武相荘と命名したそうです。
そこには“白洲ism”とも言える世界が静かに、同時に力強く広がっていました。
何もかも新しくするのではなく、古き良き物、真意を大切にしながら、自分達の暮らし、好みに合わせて変えていく。
激動の時代に、地に足をつけ、自分を見失わないように生きていた白洲夫婦の“心意気”と、センスの“粋”が共に息づいていました。
(ダンス建築研究所・鈴木利美)

100206武相荘見学.jpg
posted by 住宅部会 at 23:12| 建築家のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする